カーテンの隙間からオレンジが拡がってくる・・・
頼りない毛布を左手で押しのけそのままソファーに座った・・・
昨夜のバーボンがまだ俺の胃の中で活躍中だ・・・
echoに火を灯してボンヤリと外を眺める・・・


１ヶ月前に現れた依頼人が手に持っていた物は少し大ぶりのコンチョ・・・






依頼人からの仕事はコイツをある人物に渡してほしい。。。
ただソレだけ・・・
報酬は通常の倍だ。
俺は快く引き受けコンチョを革ジャンの中に落とし込む。
行き先は追って連絡すると言い残し男は姿を消した。


ソレから連絡が途絶えたんだ・・・

コノ仕事もソロソロ潮時だな。


クソ苦いコーヒーを煎れにechoを咥えたまま軋むソファーから立ち上がると・・・
昨夜から着けっ放しだったTVからニュースが流れた・・・




「・・・・青森の山中に遺体を発見しました・・・」







咥えていたechoが俺の口元からポトリと落ちた・・・
間違いない・・・・
依頼人の鶴瓶だ。。。
落ちたechoをすぐさま拾い脱ぎ捨ててあった革ジャンを羽織り部屋を出た。

一足飛びに駆け降りる階段の途中で生きていた頃の鶴瓶を頭の中にインプットする。奴にナニがおこったんだ！！







大間に近い山林に捨てられた鶴瓶の頭部・・・
俺に探してくれと依頼をしてきた鶴瓶がナゼ？？？
俺は愛車のGPZの暖気もソコソコに東北道を目指していた。







東北道を駆け抜け下北半島に入りかけた時・・・
背後にエンジン音が聞こえた・・・
執拗に追ってくる３台のバイク・・・
依頼人の鶴瓶の元へ急ぐ俺・・・
残された謎のコンチョ・・・







俺を追ってくる３台のバイク・・・
YAMAHAとドカだ・・・

お前らと遊んでるヒマは無い・・・
ハイスロのアクセルを開ける。
リアタイヤの悲鳴が聞こえてくる。







・・・・・・！！

離れない・・・
しかも俺の事を知っているかのように煽ってくる。
狙われている・・・
俺の革ジャンに入っているコンチョが目的なんだ。
ココで追いつかれる訳にはいかないぜ。
依頼された仕事は遂行するのが俺のモットーだ！！
たとえ依頼人の鶴瓶がこの世に居なくとも！！

アクセル全開にコーナーを駆け抜ける！！
リアタイヤは既に限界を超えているが知ったこっちゃない！！
暴れだすステアリングを必死で押さえつけコーナーを抜ける！！









必死に食い下がる奴らが俺のミラーから豆粒のように小さくなっていく。
とうとう奴らがGPZのミラーから消えた。

なんだったんだ・・・
俺のコンチョにはドンナ秘密が隠されているんだ！！


 



カンペキに連中を撒いた・・・
津軽海峡の先は北海道だ・・・
大間岬はすぐ目の前・・・
今回の依頼は割に合わないが仕方ない。
echoにzippoの火を灯して北の海を眺める。









鶴瓶に依頼されたコンチョの届け先は本州最北端の大間岬。
ソコにナニがあるのかは分からないが・・・
依頼を完遂するのが俺の仕事・・・
ソコにナニがあってもやり遂げなければならないんだ。。。









大間に着いた俺は鶴瓶の依頼のある場所へ向かう・・・
本州最北端のソノ場所には明らかに鶴瓶の痕跡が残されていた。

階段をあがり
ココで目にしたものに目を疑う・・・

ソコには頭部の無い鶴瓶が・・・
表情も見えないのだが・・・
明らかに俺を出迎えてくれているような優しい笑顔がソコにあった。。。







鶴瓶・・・

待たせたな。。。



俺はechoに火を灯し・・・
頭部の無い鶴瓶の背後に廻る。

裏にはコンチョを待っている鶴瓶のレッグバッグ。










取り付けたぜ。
鶴瓶・・・





待たせたな。

お前の果たせなかった仕事は・・・
コレで完了だ・・・




仕事を終えた俺は帰りの東北道で確かに見たんだ。

俺に手を振る鶴瓶の笑顔を・・・・・














the　end

主役　鶴瓶（ごっちん）


チナミにごっちんに許可取って無い。。。

ユルシテくれるのだろうか？？？









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