腕が上がらない・・・
足も思うように動かない・・・
どうやら横になってるようだ・・・

カーテンの隙間から見える日差しが夜では無いことを教えてくれる。
薄暗い天井に目を向ける・・・
どれだけの時間が流れたんだ？

頼りないベッドの軋む音が俺を覚醒させていく・・・
重い左手を瞼にあてがう・・・・
そうか・・・
朝なんだな。

朝だということに数分の時間を費やし俺は身体を起こしてみる。
大丈夫だ・・・
バイクに跨れるくらいの体力は残っている・・・

上半身を起こした俺は毛布を取り払いあたりを見回す・・・
そう・・・
いつものようにゆっくりと。

見覚えのある黒と白のヘルメット・・・
シールドに反射して見える景色にため息がこぼれた。

ベッドから降りて両手を見つめる・・・
いつもの場所で朝を迎えたんだな。
オレンジ色のechoから短い1本を取り出す・・・
蓋のぶっ壊れた革巻きのzippoで何度か火花を散らしてみる。
何回目で火が付いたんだろう・・・

俺の目の前にechoの香りが銀色の煙と共に広がった。
このままどこかに逃げ出しちまうか・・・
それとも負けると分っていても戦うか・・・
指先に近づいてくる灯りを見つめながら俺は想う。

バイクに乗れりゃ良い・・・
何も問題は無い。
そう・・・
バイクに乗って酒を呑んだら明日が来るのさ。
何も怖がることは無い。



さぁ・・・

ドアを開けよう。













って！！！


雨じゃん！！！！！！


雨降ってんじゃん！！！！！！


バイク乗れないじゃん！！！！！！！！









・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ｈｉｄｅです。



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[8回]