気が付くと、山の色がまた明るい緑に染まっていた。

俺はバイクを停めて深い緑から淡い緑に変化する山の景色を楽しんでいたんだ。


細く曲がりくねった山間部の道をＧＰＺと共に疾走る。

お前が俺から去って行った去年の出来事だった。


あの時・・・・

あの時突然俺の前から姿を消したお前を俺は何も出来ずにただ佇んでいただけだった。

お前が居なくなったなんて信じられなくて何事も無かったかのように振る舞っていたんだ。


お前と別れた後、俺の暮らしも変わったんぜ・・・

俺も・・・ＧＰＺも・・・・

いつも楽しかったあの道もすっかり興醒めしちまってさ・・・・

お前がそばに居ないだけで俺の何もかもが狂っちまうんだ。


暑かった夏も終わり・・・

紅葉が山の景色を変えていく。

俺の心にポッカリと空いた穴は埋まらないのに。


革の上着を羽織るころに思い出したぜ・・・

俺は・・・・

お前が帰って来ることをずっと信じていたんだってことを。


ポッカリと空いた穴が塞がらないまま寒い冬がやってきたのさ。

大好きな山の景色が深く濃い緑にまた変わっていく。

灰色の海がよりいっそう俺の心を閉ざしていくんだ。


小鳥が鳴く・・・

楽しそうに・・・・

山はライムグリーン・・・・・


お前と別れてからもうすぐ１年だな。

離れ離れになっていた時間がお互いの距離を近づけてくれたんだな。


おかえり！！

お前が戻ってくるって事は・・・・・


全部わかってたのさ。

俺が悪かったよ。



もう・・離さないよ。。。。。。。。。。。。。







お前が居なくなった時の記事

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